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振袖選びでお伝えしておきたいこと① 2016/10/01

ここにきて振袖お客様のご来店もだいぶ落ち着いてきました。
毎年8月から9月は大学生が夏休みということもあり、お嬢さんが帰省されることもあり
1年間の中でもっともご来店が多いのです。

しかもお彼岸を過ぎ、10月に入ると今度は来年ご成人の方があわててご来店される
ようになり、オススメする振袖の内容も変わって参ります。

さて、今夏も多くのお嬢さんの振袖をご提案させていただき、落ち着いた今、
一度きちっとお伝えしておこうか・・・と思っていたことがあります。

ご成人を迎えられるお嬢さんとそのお母さんが満足できる振袖の提案の仕方、
そして一生の想い出に残る前撮りや成人式を迎えていただくためにはどうしたらいいか?

これまでも丸豊なりの想いとこだわりで、いろんなご提案をしてまいり、
たくさんのお喜びのお声を頂いて参りましたが、その想いが尽きることはありません。

まず、振袖を選ぶということについてですが、毎月、振袖の各メーカーや問屋へお伺いして
思うことは、オススメできる振袖は限られているということです。

ここ数年の傾向としては、振袖の流行はかなり落ち着いており、こんなことを言うと商売に
差し障りがあるのですが、昨年の新作振袖と今年の振袖に、そう違いはありません。

昨年の振袖でも良い物はいいですし、駄目なものは1年で廃れます。

そして、ここ数年の生糸事情により、振袖の生地がよくないものが流通するようになってきています。
一言でいうと・・・薄っぺらいのです。

毎年、何千枚もの振袖や着物に触れていると、触った瞬間に分かるのですが
柄やデザインは良くても、生地の品質にばらつきがあり、着た瞬間の満足感は厳しいものがあります。

これは作り手にも問題があるのですが、仕入れをする着物屋さんやレンタル屋さんの責任も
大きいのが実情です。

即ち、デザインが良ければ、生地は問題ではない・・・安ければ安いほどいいという風潮がはこびっているのです。

別の角度から言うと、着物屋さん自体が生地の見極め、目利きが出来なくなっているので
作り手もそれなりのものを作るようになってきています。

私は先代、更には先々代からも商品の目利きについては、かなり厳しく教えられてきましたので
どうしてもそのことが気になるのです。

振袖を着る機会はそんなに無いのだから、生地の品質など気にしなくてもいいのでは・・・
と思われるかもしれませんが、どんなに素晴らしいデザインであっても、生地が悪ければ
良く見えないものです。

しかも、それで振袖の価格が安くなっていればいいのですが、実際には価格は据え置きで
着物屋さんの儲けを増やしているだけというのが実態です。

ここが私はどうしても許せないのです。

従って、毎月京都や新潟などにある振袖メーカーにお伺いしても、仕入れできる振袖は
そんなにはありません。

本当はもっと仕入れしたいのです。

しかし、丸豊が自信をもてるものが以外は、オススメしない・・・というのが家訓でもありますので
そこだけは絶対に誤魔化したくありません。

長くなりました。この件は引き続き明日お伝えして参ります。